ビジネス契約書のチェックポイントとは?

はじめに

アフター・コロナ(A・C)においては、今まで以上に契約書の重要性が高まると考えられます。今回、予想しなかった事態が生じたことで、リスク管理の観点から契約書の見直しが必要になったり、アフター・コロナを見据えた新しいビジネスモデルの検討が増えると考えられるからです。

弊所では、平時から、多岐にわたる分野の契約書チェック・作成を多く取り扱って参りました。

そこで、弊所における契約書チェックの例をご覧頂ければと思います。

契約書チェックのご依頼を受ける際にお伺いすること

弊所では、初めて契約書チェックのご依頼を受ける際、ご依頼者様と相手方の業種、業界、資本金、売上高、従業員数、これまでの取引状況等をお伺いすることがあります。業界慣行、取引慣行、ご依頼者様と相手方とのパワーバランス、ご依頼者様と相手方との信頼度等を知るためです。

民法92条は「法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。」、商法1条2項は「商事に関し、この法律に定めがない事項については商慣習に従い、商慣習がないときは、民法(明治二十九年法律第八十九号)の定めるところによる。」と定めています。業界慣行、取引慣行を知ることは、契約書解釈に必須です。

また、契約書の交渉においては、パワーバランスを考慮せざるを得ません。ご依頼者様のお話を伺い、相手方とのパワーバランスから、相手方が出してきた原案をどの程度まで当方有利に修正するか検討します。

さらに、ご依頼者様と相手方とのこれまでの取引状況から、ご依頼者様と相手方との信頼度をはかり、どの程度、契約書を詳細にするかを検討します。

契約書交渉に関するアドバイス

契約書チェックはリスク管理のために行いますが、当方有利な修正案に相手方が応じない場合は、相手方とのパワーバランスを考慮し、ビジネスの推進を優先させるか今回の契約は断念するかを決めなければなりません。最終的な決断は、ご依頼者様の経営判断となります。

弊所では、交渉時の具体的な対応の方法もご提案させて頂きます。

(一例)

  • 譲れないポイントと譲ってもよいポイントを分ける。
  • 修正の要望を多く出し、譲歩幅をもつ。
  • 契約締結を急がない。

以下、契約類型毎に、原案に変更履歴を付した修正案をお出しします。ぜひご覧ください。

売買契約書 ?こちらをクリックしてください修正案(売主有利)

甲(売主)=「貴社」として、下記契約書を検討し、双方平等からやや売主有利に修正しました。
なお、民商法の規定通りであれば、平等と考えてよいと思います。
契約書の詳細度は一般的なものです。
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