【裁判例紹介】時短営業命令による損害賠償請求

Q 東京都の時短営業命令について損害賠償請求を求めた裁判の判決が出たと聞きましたが、判決はどのような内容ですか?

A 飲食業を営む会社が、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため発出された東京都の時短営業命令が違法であると主張して、東京地方裁判所に国家賠償請求訴訟を起こし、令和4年5月16日に判決がありました。

東京地裁は、東京都が時短営業命令を発出した時点で、日本政府が緊急事態宣言を4日後に解除する方針を決定しており、時短営業命令の効力が4日間しか生じないことが確定していたにもかかわらず、あえて時短営業命令を発出した必要性を合理的に説明できていないと指摘して、時短営業命令は法律の要件をみたさず違法であると判断しました。

しかし、時短営業命令を発出した当時において、都知事が発出を差し控える旨判断することは期待しえなかったことなどを理由に、都知事の職務上の注意義務違反を認めず、会社の請求は認められませんでした。

つまり、東京都の時短営業命令の発出は、違法ではあるけれども、損害賠償請求は認められないという判決となりました。

詳細は、下記の判決文をご確認ください。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/291/091291_hanrei.pdf

   

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