会社法についての考え方

会社法事案は巨額の熾烈な紛争になりやすい

会社法は企業に関する法律です。そして、ほとんどの企業で会社法が問題になることはありません。しかし、いったん問題となれば、それは軽微な問題ではすまず、大問題になることが多いといえます。しかも、問題が長期化する傾向もあります。

なぜなら、会社法は、誰がその企業の実質所有者か、その企業を根底から動かす権限は誰のものか、対外的に企業を代表して当該企業を動かす者は誰か、といった「所有、支配、会社財産の移動」といった重要問題を扱うからです。

また、会社法は企業の財産を対象にしますから、個人の財産問題より金額が巨額になります。

例えば、1万円の問題であれば謝意と支払いで問題解決する場合も多くなりますが、これが1億円、10億円、100億円となればどうでしょうか。

損害を被ったと主張する側(経営参加をしていない株主)も、責任ありと名指しされる側(代表取締役社長など役員)も、金額が巨額になればなるほど、妥協的解決が困難になり、徹底的に争う激しい紛争事例になりやすいのです。

なお、役員責任についても、上場企業の役員であれば役員責任保険(いわゆるD&O保険)がありますので、裁判で負けても(責任認定されても)、重過失が認定されなければD&O保険により実質負担なしで解決することもできます。

しかし、非上場企業の役員には役員責任保険はありません。

しかも経営者は金融機関に対し個人連帯保証をしている場合がほとんどです。

そのため、非上場企業の役員責任訴訟は経営者の人生をかけた壮絶な戦いとなることが通例です。

私が若い弁護士時代に経験した同族内紛事案の厳しさ

私(吉田)が弁護士として若い時期に経験したことをお話しいたします。

中小企業の経営者一族同士の紛争(いわゆる同族内紛事例)でした。

その裁判の担当裁判官から、「同族内紛の会社法のもめ事は、最初の裁判で完全和解をしないと、次から次へと違う紛争(裁判)が出てきて、最後には収束困難な非常に困った事態になること多いようです。みなさんで将来のために完全和解をしませんか?」という提案を受けたことがあります。

しかしその事案では和解はできず、その裁判官の予言どおり、その後も第二・第三・第四と形を変えて紛争となり、非常に長い時間の経過を経て、最後は一方が他方の株式を全て買い取り、他方は会社から完全に離脱することで解決に至りました。会社法の根幹である「所有(株式)」の問題を解決することで、それ以外の全問題も解決できました。

紛争が長期化すると、株式問題の完全解決以外に解決方法はないのかもしれません。

その間は弁護士も非常に大変でしたが、弁護士以上に双方当事者の方々は 艱難辛苦(かんなんしんく)を極めたと思います。

なお、この事案では、私の側は、社長であるが株式は少数というものでした。

相手方は社長ではないのですが多数派株主でした。

私はこの案件で、少数株の側でありながら最終的に100%株主になるという貴重な経験を得ました。

その後も私は、少数株主(しかし社長)でありながら時間をかけて100%株主になる、という貴重な経験を2回といわず複数回得ることができ、大きな経験となりました。

また非上場企業の株式売却や買い取りは、事案によってですが、非常な高額事案になることもあります。

最近では、私が責任者として受任し弁護士3名で対応した案件について(株式買取を前提とする株価決定訴訟でした)、相手方(株式売却側)と思われる側が執筆した書籍まで出始めており、株式を巡るお金の問題は今後ますます拡大し重要な問題になりそうな予感を抱いております。

(なお、この書籍中には大変光栄なことに「日本最高レベルの弁護士集団」と記載いただいております。)

私たちは親身に寄り添う会社法のプロアドバイザーです

また、会社法は経営実態の正当性や不当性の判断という内容面だけを扱うのではなく、手続法という重要な特殊性があります。

つまり、経営内容はおかしくないという場合であっても(経営者からすれば、「私の会社はおかしなことをしていないから安心だ」と思える場合であっても)、会社法が要求している手続きを怠ってしまえば、手続違反という意味で「違法性あり」となってしまいます。

会社法にはこの手続法という特色がありますので、経営者が会社法違反のない安全な経営をしたいと思えば、「親身に寄り添う会社法のプロアドバイザー」が必要になります。

その中で、当事務所は、お客様の事業規模、社内体制、主要取引先、業界事情、関係者皆様の諸事情までも詳しくお聞きし、一般的な会社法リスクだけでなく、お客様固有事情に起因する会社法リスク、顕在化していないが解決すべき会社法リスク等への対処法を検討し、お客様の短期的利益、中期的利益だけでなく、永続的長期的繁栄のための提言も含めて、可能な限りお客様の危機回避と力強い繁栄に貢献するための諸活動をさせていただくつもりでおります。

以上が当事務所の会社法に関する考え方です。

よろしくお願いいたします。

吉田総合法律事務所一同を代表して

代表弁護士吉田良夫

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